まずはこれだけ ワインの化学

アルコール醗酵とは何か?
答えはこうだ。








頭痛がするね♪
上の化学式はひらたくいうと、
糖 → アルコール + 二酸化炭素
を示しています。

これをもっともっと平たくいうと、
糖分を分解したら、お酒ができちゃった、おまけに炭酸ガスが出た!
ということです。
糖分がアルコールに変化しているわけです。
ちなみにこの反応を担っているのが、酵母です。

※化学を勉強していない人間が書いております。表現が不適切な部分がございますが、あしからず。


ワインに当てはめると…
ブドウの糖分を酵母が分解し、ワインになった。炭酸ガスは空気中に抜けていった!

清酒の場合は…
麹がデンプンを糖分に分解した後、
さらに酵母が分解し、清酒になった。炭酸ガスは空気中に抜けていった!

ビールの場合は…
麦芽に含まれている酵素が小麦のデンプンを糖に分解した後、
さらに酵母が分解し、ビールになった。炭酸ガスが液体に溶け込み、ビールは炭酸のあるお酒になった!


ライオンのことを“ネコの仲間”、というくらいシンプルに言うと、
ワインとは、“ブドウをアルコール醗酵させたもの”と言えます。

さてさて、なぜこんな化学式を持ち出してきたのかと言うと、
この時期に美味しい発泡性のワインとも  密   接  に関わってくるからなのです。

左から
CAVA(カヴァ)・・・スペインの限られた地域で生産される
CREMANT(クレマン)・・・フランスの限られた地域で生産される
CHAMPAGNE(シャンパーニュ)・・・フランスのシャンパーニュ地方で生産される

3種とも産地の違いはあれど、同じ“瓶内二次発酵方式”という手法で生産されています。
瓶内二次発酵方式とは、一度ワインを作り、瓶に詰め、そこへ酵母のご飯となる糖分を加え、もう一度醗酵させる方法で、文字通り二度の醗酵を経ています。

二度目の醗酵の際に生まれる炭酸ガスを瓶内で液体に溶け込ませることで、ワインは発泡性ワインへと変貌していきます。
ここがみそ。


ではこちら、右から
ANCESTRAL(アンセストラル)
PET NAT(ペット・ナット ペティアン・ナチュレル)
という文字がお読みいただけるでしょうか?

こちらはいずれも“田舎方式”と呼ばれる手法で生産されたことを示しています。
田舎方式とは、醗酵途中(糖分まだが残っている状態)のワインを瓶につめ、後半の醗酵を瓶内で行うやり方。
やはり、醗酵時の炭酸ガスは空気中に抜けていくことができず、ワインに溶け込みます。

塀の上のミドリのシーサー

瓶内二次発酵方式と、田舎方式。
どちらも先述の化学がワインの中で起きており、発泡性のワインを生み出す手法ではあります。ところが出来上がるワインは明確にスタイルが違ってきます。

瓶内二次発酵方式は発泡性が強く、泡の持続性もあり華やか。お祝い感あります。
そしてお値段高め💖

一方、田舎方式は微炭酸で、とにかく気軽さ、気楽さが身上。
発泡性のワインとしては発泡力が弱いので敬遠されがちですが、
なんの。

ぴちぴちとフレッシュで元気いっぱいな白・ロゼワインととらえると、ワインチョイスの巾がひろがって楽しいと思います。

夏が本格的に始まろうとしている中、さっぱりした、のど越しの良いワインは格別です!
ぜひお試し下さ~い♪


糖分(と酵母) → アルコール + 二酸化炭素
この反応はお酒の理解がグッと深まるので覚えておくと損はしませんよ~ぅしゅぅ