コーラと牛乳とワインの話

●キンキンに冷えたコーラと、ぬるくなっちまったコーラ
●冷蔵庫から取り出した牛乳と、温めたミルク
それぞれどちらがより甘みを強く感じるでしょうか?

メニーピーポーはぬるいコーラ、温めたミルクの方が甘いと感じているはずです。
ついでに言うと温かいミルクは香りもよく分かると思います。

また、
●真冬に身体が冷え切っている時に飲む、冷蔵庫から取り出したビール
●真夏のビーチでジョギングした後に飲む、冷蔵庫から取り出したビール
どちらがより次の一口を欲するでしょうか?

ビールの温度が同じでも、たぶんビーチで飲むビールの方が美味しくゴクゴク飲んでしまうはずです。

以上、理屈は分からなくっても、液体の温度(ビールの例だと体感温度との差)による感じ方の違いを体感されたことがあるのではないでしょうか?

ワインをより美味しく飲むために抑えておきたいポイント、それはワインの温度です。

飲み物の温度は、味わいや香りの感じ方に非常に重要な影響を与えます。

いったんボトルを開けて飲み始めたら、存外ぬるかった!少し冷凍庫に放り込んで冷やそう!とか、
うっかり冷やし過ぎた!適温になるまで飲むのを我慢しよう!
なんてディス・イズ・ナンセンス!現実的ではありません。
なので、今から飲むワインがしっかり冷やしておいた方がいいタイプなのか?
それとも、冷蔵庫から出して温度を上げておいた方がいいタイプなのか?
ということを知っておくに如くはありません。

ところで温度を上下させることで、人間の風味の感じ方はこんな風に変わります。
●温度を下げると・・・
・フレッシュでフルーティさが際立つ
・酸味がシャープになる
・甘みが抑えられる (コーラと牛乳の例)
・渋みが強く感じられる

●温度を上げる
・香りが際立ってくる
・酸味がまろやかになる
・甘みが強くなる (コーラと牛乳の例)
・渋みが穏やかになる

ご自身の好みに合わせて温度を変えながら、ベストポイントを探してみてください。

ここで、さて、じゃあ毎度毎度、ワインに温度計を挿して計るんか?
ワイン用に温度計を用意せなあかんのんか?味気ない。
という話になりそうですが・・・大丈夫です!
あの白物家電がいい仕事します。
彼の名は『冷蔵庫』、彼の冷蔵室はおおむね2℃~5℃、野菜室は6℃前後です。
『三種の神器のひとつくん』
ワインを買ってきたら『冷蔵庫に立てて保管』。
すると、4~6時間くらいあればワインは上記の温度まで下がり安定します。

あとは飲む前に取り出すだけ、勝手にワインの温度が上がります。
ではいつ取り出せばいいのか? (注)温度計の出番はありません。

気温22℃の条件下での実験結果として、5℃のワインボトルが10℃まで上昇するのにかかる時間は30分、15℃までは80分かかったというデータがあります、これを元にまとめてみると。

 気温22℃の時 適温 冷蔵庫から出すタイミング 抜栓後のボトル
 スパークリングワイン      6~8℃ 飲む前に氷水へ15分程浸ける  氷水に浸ける 
 爽快な白ワイン      8~10℃  飲む直前  氷を触れさせる 
 コクのある白ワイン  10~12℃  飲む20分程度前 氷を触れさせる
 軽快な赤ワイン 14~16℃  飲む50分程度前 そのままでOK 
 重厚な赤ワイン 16~20℃  飲む70分程度前 そのままでOK
※沖縄は気温が22℃どころじゃありませんので、もっと短い間にワインの温度が上がっちまいます。
※ボトルからグラスに注いだ時に1~2℃温度が上がるという前提です。

こんな感じでしょうか?
ワインを美味しく飲むために、温度をちょっと気にしてみるだけで、大きく印象が変わります。それはもうビッッッックリ!するくらし。

こうじゃなきゃいけない!ではなく、こんな知恵があるらしい。でいいと思います!
ワインは気楽に飲みましょぃ。 しゅう